〜高齢者の「食べる事」をチームで支援する〜各職種の立場でレポートを作成〜

 平成21年にチームで食べる事を支援するために、指導者研修を他職種で受講しました。

従来も行っていましたが、同じ研修を受けることにより、食べることの認識が確認され

それぞれの役割・責任が明確になりました。

 栄養ケア・マネジメントに取り組んで5年が経ち、同じ気持ちで困難事例に取り組むために

発足しました。


〜栄養ケアチームのメンバー〜自分の立場で支援を考えチームワークで実行〜

 栄養ケアチームのメンバーは、管理者(施設長)・管理栄養士・看護職員・介護支援専門員

生活相談員・介護職員です。

 ★管理者は「食べる事は生きる事」の理念を基に何時も方向性を示します。

 ★管理栄養士は、美味しい食事の工夫。それは、食べて頂く事にこだわる事。

 ★看護師は、家族・本人・医師の懸け橋になる事。

 ★介護支援専門員は、ステージに合わせ、今出来る事のプランを作成。

 ★生活相談員は、本人・家族・職員の一番の支えになる事。

 ★介護職員は本人・家族の思いを叶える一番身近な人になる事。


〜栄養ケアチーム〜「気づき」の検討を分かりやすく〜

 「気づき」の検討を分かりやすくするために

★低栄養★摂食・嚥下障害★認知症★エンド・オブライフ(気づき・家族で看取り・旅立ち・思い出の会)

の4項目に分けています。その中で力を入れているのが、エンド・オブライフ(看取りケア)です。

多職種食事の方針を検討する、それは、ステージに合わせる事。

実施方法や技術ではなく、少しずつ気持ちが入ってきました。


〜エンド・オブライフとは〜


 利用者の状況把握とご家族の意向確認⇒ターミナル期・プレターミナル期・予備軍。

入居して、生活をしている中では元気なようでも、すぐに体調が悪化する場合があります。

それぞれの方のステージを分析をする事が重要です。カンファレンスシートを作成し検討する

そうすれば細やかな「気づき」が発見できます。


〜プレターミナル期〜気づき・体調が少しずつ変化〜


 エンド・オブ・ライフのプレターミナル期は、体調が少しずつ変化している時です。

そろそろ、嘱託医が本人・家族にどこでどのように過ごすのか意向の確認をしていきます。



〜ターミナル期・職員全体で気づきを寄せていく〜


 ターミナル期、看護師は頻回に家族と連絡し、嘱託医に意向、方向性を伝えます。

他職種で食事・体重・清潔・身体の状況をカンファレンスを開き検討し、改善します。

体調の変化に職員全体で、気づきを寄せていき、食事が出来そうな時はなんでも、楽しんで

食べてもらう努力をしていきます。


〜終末期〜本人と家族の時間を大切にする〜


 終末期、再度、どこで最期を迎えるのかを確認します。看取りの段取りを他職種で考え

確認し、どのように過ごして頂くか考えていきます。

 最後まできれいな身体で旅立ちが出来るようにハンド・フットケアや清拭を行い

肌の保湿を保っていきます。


〜旅立ちの時〜穏やかな最期になるように〜


 穏やかな最期を看取れるように、家族を労い、励まし、一緒に考え信頼関係を強く・・職員全体で

考えます。

 看取りケアは点滴だけではなく、口から食べて、食事を楽しんでもらえる努力をしたいと思っています。

家族は最期の最期まで、どのようにする事が適切なのか迷います。その時職員は一緒に考え

励ます時があります。ご本人が穏やかな最期を迎えるためには、職員との信頼関係があればこそ

お互いに良かったと思えるケアが出来るのだと思います。

〜多職種協働の取り組みで〜

 昨年10月の介護保険制度の改定で栄養ケア・マネジメントが盛り込まれました。

栄養ケア・マネジメントとは、高齢者の低栄養状態の予防改善には栄養・食事サービスが

基本であると位置づけられたものです。


 まず個人ごとに栄養スクリーニングを行い、個人のリスク度を調べます。

それをもとに栄養ケア計画を立案し、他職種が協働で、適切な栄養管理や

定期評価を行いながら、ご利用者のイキイキした生活支援のために実施するものです。


 低栄養状態の予防と栄養改善のためには、栄養状態のデータを把握し

口からおいしく食べられるように、個別の栄養ケアを早急に実践することが大切です。


 慈恵園では、主治医と看護師が連携してご利用者個別の健康状態やリスクを

把握し、アルブミン値や血糖値等の管理に早くから取り組んできました。

ケアマネージャーも栄養ケア計画に積極的に取り組んでいるのでスムーズに

実践することが出来ています。

 栄養改善計画としては、脱水対策、便秘対策、じょくそう予防を中心に、個別の

状態に合わせた栄養ケア・マネジメントを実施しています。


@脱水対策は、個人の目標水分量を設定し、ティータイムや手作りゼリーで

摂取量の確保に気配りを行います。


A便秘対策として、排泄状況を確認し、オリゴ糖ゼリーや腹部マッサージなどにより

自然排泄を促します。


Bじょくそう対策としては、プロテインの提供、高栄養食の補給などにより

完治までの期間が短縮しています。


 また、低栄養予防として、複式献立、ユニット食、フロアクッキングなどで

ご利用者の希望や本音を引き出しながら、喫食率の向上を図っています。

 行事食が食べられない方には、お粥で見た目が普通食と同じように調理し

楽しんで食べていただけるよう工夫をしています。


 これらの実施により、入院者の減少が見られ、ご利用者の健康維持に

つながっています。


 栄養ケア計画は18項目をチェックし「栄養改善でここまで」と目標設定をして

作成します。ご家族にもお知らせすることで、要望やご利用者の嗜好などの

情報を増やすことができ、個別対応がより充実しています。


 今後も「口から美味しく食べる事」を主眼として、ご利用者の体調維持と健康管理に努め

重度化しないように栄養ケア・マネジメントを実施していきます。

【栄養ケアチェック項目】
要介護度 CZの提供
身長 カルパワーの提供(骨密度低下)
体重 流動食の提供(低栄養)
アルブミン値 フルーツの提供(水分と栄養)
BMI アイスクリームの提供(水分と栄養)
食事形態 オリゴ糖の提供(排便・整腸のため)
ティータイム(水分補給) お茶ゼリーの提供(水分補給とむせ防止)
水分目標と量チェック 食べ方や個別の食事時間等
食事量チェック 飲み込み状態の確認(水のみテスト等)