第9回学習療法施設間交流会
学習療法を導入している他施設の方との交流を目的とした学習療法施設間交流会、
9回目を迎えることが出来ました!
今年も対面ではなく、リモート開催となっています。
3施設(ひらおか梅花実 デイサービスセンター様、特別養護老人ホームシンフォニー様、グループホーム 雅の郷様)10名、学習療法センターより2名、慈恵園職員8名の合計20名での開催となりました。
ご参加いただいたみなさまありがとうございました。
まずは川邊施設長よりご参加のお礼と開会のご挨拶。
事例発表を3題とグループ討議を行っています。
1題目は芦別慈恵園藤澤ケアワーカー「一斉支援を通して支援を見つめなおす!!」
新人支援者が一斉支援を行い、アドバイスをうけた前後の支援の様子の変化を動画にまとめました。
動画を見てのご感想をシンフォニー佐藤様より
一斉支援が、シンフォニーでは機会がない為、
動画でみんなで見て評価するのはすごいことだと思った。自施設でも取り入れたい。
2題目はグループホーム雅の郷中野様「以前の様な元気な姿を取り戻して欲しい」
K様 97歳 女性 介護度5のお客様の事例です。
ラクナ梗塞発症後、車いす生活となり以前の活気が見られなくなってしまった。
職員の思いは「食事の自力摂取や笑顔ですごし、活気のある生活を過ごしていただきたい」
そこで2週間毎日学習療法を実施し、変化をみることとなりました。すると支援開始から3日目より覚醒状態が良くなったり、全介助だったお食事もご自分でお箸やお椀を持たれる、就寝中は体動がなかったのが布団をめくりお手洗いに行きたいと教えてくださるなど、変化が見られ始めました。その後も14日経過するまでの間にもさまざまな意欲の向上や身体機能の変化などが現れました。まとめとして、K様の意欲が向上し、笑顔がたくさんふえた。それによって職員のモチベーションも上がったことがわかる内容でした。
事例発表に対してシンフォニー木村様 よりご感想
Kさんの声が出ない・表情が出ない状態から短時間で、旦那さんやご家族のことを思い出すことが出来たのはすごいことだと思った。
3題目はひらおか梅花実デイサービスセンター谷口様「学習療法 私たちの取り組み」
施設での学習療法の流れから、毎月の月次検討会について。
毎月の月次検討会では活発な意見交換が行われるが、大切なものがひとつかけていることに気付く…
それは「ご家族への発信」ご家族へ学習療法の様子の発信ができていなく「どんなことをしているのかわからない」「お金を払っているけど効果はあるの?」「頑張ってますよとは言われるけど様子が分からない…」などのお声があった。
また、施設としても「家でどのような効果が出ているのかわからない」「自宅での様子がいまいちわからない」「宿題を持ちかえっているがどのように行っているのかわからない」などがありました。
そこで、ご家族様に学習療法の様子についてお手紙を書くことになる。
あるお一人のお客様の手紙のやり取りの事例発表でした。
M様 92歳 女性 要介護度1
4回ほどのお手紙のやり取りの内容を紹介してくださいました。
お手紙のやり取りから、ご家族へ様子をお伝えできただけでなく、様子をお伝えするためにより細かくお客様の変化を感じ取る意識ができた。学習療法の取り組みをご家族にも理解していただき、大切なものであるという考えをご家族が持つことが出来た。という発表でした。
事例発表を聞いて慈恵園鈴木より感想
家族さんへ関わりだったりが、なかなかコロナで面会も出来ずにどう伝えるかが課題と思っている。慈恵園のデイサービスではMMSEとFABの検査を定期的に行っているので結果を伝えたらよいのかとも思っている。この後のグループワークで、デイサービス職員同士ぜひ話しをしてほしい。娘さんの手紙にほっこりしました。
事例発表について 総括
ひらおか梅花実デイサービスセンター 三井施設長
今日は貴重な発表ありがとうございました。発表することを意識しながら実践を行うとデータや動画を撮るなどするが、それがいい振り返りの機会になる。このように、振り返りを行う、共有の場をつくることが大事だと思った。
特別養護老人ホームシンフォニー 齋藤施設長
全体を通して、コロナ禍でも事例をつくっていて意識が高いのを、この交流会で感じた。雅の郷様の事例では、2週間でこれだけの変化珍しいことであるし、すごいこと。短時間で効果が出たことは導入して十数年経つがあまり聞かないのですごいと思った。この後のグループワークで質問をしたいです。
その後は3グループに分かれてグループ討議を行っています。
事例発表についての意見交換や、日々の支援での困りごとの解決の場になっています。
各グループで話し合われたことは、
1G
一斉支援は職員が改めて評価される場でいいよねという話しをした。評価されることで足りないところを見直せ、他の職員に見られることで緊張感を保てる。学習療法は支援中のお話から個別レクにもつなげている。 家族様への手紙は継続が難しい。ケアマネージャーを通して家族にお伝えしている施設もある。
2G
・一斉支援では100を大きく書く事フィードバック、ありがとうと言っていて心地よかった。
支援することが精いっぱいが多いので見直していく。
・2週間ずっと支援して変化がすごい。どのくらいの頻度でやっているのか気になった。他の方についてもやってみたいという声が上がった。
・職員のモチベを上げるのにノートを使って良かった点がやる気につながった。 週3回で現状維持している状態。
3G
・K様の事例 ラクナ梗塞で寝たきりになったが、脳血管のかたに学習療法は効果がある。
本人が書いた手紙をご家族に送ったらご家族が喜ばれた実績もある。ご家族に伝える方法では動画を撮って送るという案もでた。
ご家族からの「学習療法をやっていて意味はあるの?」という言葉に対し、職員が様子をお伝えしてご家族に学習療法のやる意味が伝わった。
教材を解くことが出来なくても学習療法を通してお話しすることで笑顔が戻るのでそれだけでもやる意味がある。ご自分で教材を行うアウトプットだけでなく、職員による読み聞かせ、数え聞かせのインプットでも意味があることを知れた。
スタッフが少ないので思うようにできない施設もある中、シンフォニーは専門スタッフがいて幸せだと感じた ・活動が出来ていないので事例発表担いたい。
全体を通しての総括
グループホーム雅の郷 砂庭施設長
学習療法に一生懸命取り組んでいるのが感じられた。いまは職員の退職があり回数の確保がむずかしいが、はやく職員を入職させ楽させてあげたいと思っている。事例発表をみたり、交流会に参加させてもらい勉強になった。これからもいろんな交流会など参加出来ればいいと思っている。
学習療法センター 本田様
発表準備ありがとうございます。グループ討議も活発で良かった。慈恵園の一斉支援では拝見したが春に研修をうけた職員の緊張だけでなく、先輩が見ていたところもあり後輩がうまくいくのかという別の緊張感もあった。慈恵園では当たり前かもしれないが一斉支援の開催を園内で告知している事が素晴らしい。職員みんなのことであることだと、注目してねとアピールしているのが素晴らしい。
雅の郷様の2週間続けてやろうというのはチャレンジであり結果の出た事例でした。今後も思いつかれたことをどんどん学習療法を使ってチャレンジしてもらいたい。
ひらおか梅花実デイサービスセンター様はご家族に発信をしていきたいチャレンジを発表して頂いた。ご家族へは「報告」ではなく、よりいきいきしていただきたいことを報告することを通じて「ご本人を応援していこう」ということがベースとなり、目的がはっきりしている。そうすると身が入っていく。
交流の場っていいな思いました。
学習療法センター 橋本様
慈恵園の一斉支援はいまや定着した支援の質を高める手法。
雅の郷様は事例をまとめたいと一言もらったのがコロナの始まる前後で、中野マスターが中心になり作っていることは聞いていました。グループホームでの学習療法は辛抱と根気がないとできないが、頑張れるかそこでやめてしまうかの分かれ道を通り超えたチャレンジをしてくれた。今回の事例発表は全国のシンポジウムで堂々と発表して頂きたい内容だった。
ひらおか梅花実デイサービスセンター様はいい道を歩んでいらっしゃる。施設の中で楽しい学習が、施設から出ていくはじめのステップが「ご家族」そのあとは地域につながっていく。地区の認知症予防にお呼ばれされて地域にも広がっていく。今後地域に広がった発表をしてもらえると思っています。
交流の場を提供して頂けている事に感謝申し上げます。
最後には画面上ですが参加者全員で記念撮影!
どの施設でも学習療法を通してお客様がどんどんとお元気になったり、年数を重ねてもできることを維持されていることを共有でき、ご家族にはどのようにお伝えすれば学習療法の良さ、大切さを知っていただけるのか、勉強させていただく交流会となりました。
ご参加ありがとうございました!また次回はぜひ対面でお会いしたいですね。
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